健やかなお口の育て方:乳幼児期のポイント(前編)|鶴岡市の歯医者

健やかなお口の育て方:乳幼児期のポイント(前編)

 

山形県 鶴岡市 医療法人石田おさむ歯科医院 

歯科医師・院長 石田 修 

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鶴岡市文園町にある石田おさむ歯科医院 院長の石田です。 

子供の健やかな成長には、お口を正しく発育させることが非常に重要です。

毎日ものすごいスピードで成長する乳幼児期~学童期(0歳~12歳)の家庭環境や食事内容、食べ方、口腔ケアの習慣、お口の癖などは、将来の虫歯や歯周病、歯並びといったお口のトラブルから全身の健康にまで大きな影響を与えます。

今回は、乳幼児期(0歳〜5歳)の前編として、お口の成長と2つのポイントについてお伝えしたいと思います。お子さんの将来に大きく関わる大切な内容ですので、ぜひ最後まで読んでいただければ幸いです。

 

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INDEX

(前編)

乳幼児期のお口の成長

ポイント① 家庭内での口腔内細菌の感染

ポイント② 子供の口腔ケア

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乳幼児期のお口の成長

まずは、基本的なお口の成長についてご紹介します。

【0~6ヶ月】歯が生える準備期間
この時期に見られる「指しゃぶり」や「おもちゃしゃぶり」は、口の中に適度な刺激を与えることができます。歯が生える前から、口の周りに触れられることやお口に歯ブラシが入ってくる感触などに少しずつ慣れていくことが歯みがきの準備段階としてとても大切です。

【6ヶ月~9ヶ月】前歯が生え始める
歯が生え始める時期には個人差はありますが、生後6カ月〜9カ月ころが一般的です。多くの場合、まず下の前歯が2本生えてきて、次に上の前歯が2本生えてきます。この頃あたりから離乳も始まり、お口の働きが「吸う」から「噛む」へ移行していきます。舌の動きも活発になり、舌や歯ぐきで食べ物を潰すような動きも見られるようになります。

【1歳半頃】奥歯が生え始める
1歳が過ぎて離乳が完了するころには、上下前歯4本が生えそろい、奥歯(第一乳臼歯)が生え始めます。手づかみで食べるような行動が増え、歯を使って食べ物を噛み切ったり、奥歯で潰すことが少しずつできるようになります。このタイミングで食事から十分に栄養を摂取することができるようになり、徐々に離乳も完了していきます。

【2歳~3歳】乳歯が20本生えそろう
2歳半頃になると20 本の乳歯が生えそろいます。この時すでに乳歯の下で永久歯が成長しており、仮に乳歯がむし歯になり悪化すると、永久歯に影響が出ることもあるため注意が必要です。「永久歯が生えてくるから」と考えずに、しっかりと乳歯を守っていきましょう。

乳歯が生え、噛み合わせができあがっていくと同時に顎も成長します。また、お口周りの発達に応じて、歯並びをはじめ、食べる機能や言葉を話す機能も発達していきます。

 

ポイント① 家庭内での口腔内細菌の感染

生後6ヶ月頃になると歯が生え始めることから、両親から唾液を返して虫歯菌や歯周病菌が定着しやすくなります。そのため、両親と密接に関わる乳幼児期は、感染する可能性が高いため注意が必要です。

具体的には、以下のような行動で唾液感染を起こしてしまう可能性があります。

【スプーンの共有】
家族と同じスプーンを使う、家族が口に入れた箸で赤ちゃんの食べ物を取り分けるなどをした際に菌がうつる。

【コップの共有】
コップなどで飲み物を飲み回すことで菌がうつる。

【キス】
口と口のキスをした際に菌がうつる。

【熱い物をフーフーする】
離乳食が始まると、熱い食べ物を息でフーフーと冷ましてあげる際に、菌が含まれた唾液が飛んでしまう。

上記のように日常のさまざま場面で、子供に菌をうつす可能性があります。しかし、完全に防ぐことは難しいですし、これらの行動すべてがNG行為であるとは思いません。これらは、一種の愛情表現でもありますし、スキンシップは親子にとって必要不可欠です。そのため、まずは取り組むべきは、「両親の口腔内環境をリスクの低い状態にしておく」ということです。虫歯や歯周病のリスクが低ければ、感染のリスクも抑えることができます。また、仮に感染したとしてもお口の中にいる細菌を口腔ケア等でうまくコントロールすれば、リスクの低い状態を維持していくことができます。

もちろん感染させないことは重要ですが、そもそも口腔内細菌をすべて消し去ることができないのですから、リスクの低い状態を日常的に維持できるように努めることが、より現実的で効果的であると言えます。

具体的な口腔ケアのポイントについては、次の「ポイント② 子供の口腔ケア」でご紹介いたします。

 

ポイント② 子供の口腔ケア

【歯みがきの準備段階】
歯が生え生える前から歯みがきの姿勢や口の周りに触れられること、お口に歯ブラシが入ってくる感触などに少しずつ慣れさせることが大切です。

【歯が生え始める頃】
歯が生え始める頃(生後6ヶ月〜9月頃)は、唾液の分泌が盛んで歯ブラシをつかわなくても汚れはつきにくい時期ですが、歯ブラシの感触に慣れるよう、毎日遊び感覚でトレーニングしていきましょう。特に上の前歯は唾液が届きにくく、一度ついた汚れが自然には落ちにくい部分です。両親がお口の中を毎日見ることと、機嫌の良いときを見計らって歯磨き習慣をつけるようにしてください。

【遊び感覚で楽しんで】
乳幼児期のポイントは、遊び感覚で楽しんでやることです。「歯磨き=楽しい」というイメージを持ってもらうことで上手に歯磨きができるようになっていきます。また、デンタルフロスは早い時期から使用する良いでしょう。歯間の清掃には大人も子供もデンタルフロスが有効的です。安全面から指巻きタイプのものを使用していただき、楽しませながら歯間に糸を通してあげてください。

【歯磨きの基本姿勢】
寝かせ磨きが基本になります。子供が暴れる場合は、親の太腿の間に頭をはさみ、お子さんの腕(肩)の上に足を乗せると動きを抑えることができます。この時、泣いてしまうことは問題ありません。泣くことでお口を開けてくれますので、より磨きやすくなります。ポイントは、磨き終えたら「褒めること」「すぐ違うことに意識を向けさせること」です。褒めてもらえるという感情と歯磨きを終えた後に引きずらせないことで、歯磨きへの抵抗を少しずつ減らしていくことができます。

【歯磨き粉の使用と歯ブラシ】
最初は歯みがき剤を使用せず、水だけでみがいてください。3歳前後になり、ブクブクうがいができるようなれば歯磨き粉を使用していきましょう。嘔吐反射や異物感を最小限にするため、はじめは小さい歯ブラシを選ぶようにしてください。

【歯ブラシを噛んでも否定しない】
お子さんが歯ブラシを噛んでもすぐに取り上げたり、否定しないようにしてください。年齢とともに噛む癖は減少していきますので、歯ブラシになれることを優先しましょう。(もちろん安全には十分に気をつけてください)噛む癖が無くなるまでは、子供用(噛む用)と親用(仕上げ磨き用)の2本用意してあげてください。毛先が広がりボロボロの歯ブラシでは、清掃効率が落ちてしまい汚れが残ってしまいます。

【歯ブラシの動かし方】
歯ブラシは細かく優しく動かし、毛先で軽く磨くのがポイントです。(歯を2本ずつ磨くイメージです)

 

ご自宅での口腔ケアは毎日の習慣化がとても重要です。生活の一部として子供に定着させることが、大切な乳歯を守ることに直結しています。ぜひ家族みんなで歯磨きを楽しみながらお口の環境を守っていってください。

 

当院は口育士が在籍している日本口育協会の認定歯科医院となっております。口育とは、赤ちゃんの時期からの呼吸や嚥下(飲み込み)の正常な発達を促進することにより、お口の機能の発達不全を防止することです。専門的な知識を持ったスタッフが歯磨きだけでなく、お口の全体の発育をサポートできる体制を整えております。

小さな子供に対して「どのように歯磨きをしてあげればよいかわからない」「子供が歯磨きを嫌がる」「歯並びが心配」など、お悩みを抱えている方は、ぜひ当院までお問い合わせください。

 

👉【日本口育協会HP】

👉【日本小児歯科学会】こどもたちの口と歯の質問箱

 

次回は、『健やかな歯の育て方:乳幼児期のポイント(後編)』として、お口の成長に合わせた食生活と歯並びの関係についてお伝えしたいと思います。

 

 

山形県 鶴岡市 医療法人石田おさむ歯科医院 

歯科医師・院長 石田 修 

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