■矯正用マウスピースを使ったホームホワイトニング
マウスピース矯正は、歯並びを整えながらホワイトニングも同時に進められる治療法です。
歯の移動に使用するマウスピースを、そのままホワイトニング用のトレーとして活用できます。
専用のホワイトニングジェルを適量入れて装着することで、歯並びを整えながら歯を白くすることができ、矯正とホワイトニングを一緒に進めたい方におすすめです。
この記事では、マウスピース矯正とホームホワイトニングを併用するメリットや注意点について解説します。
■マウスピース矯正とホームホワイトニングを同時に行うメリット
マウスピース矯正中のホームホワイトニングは、通院回数を増やす必要がなく、日常生活に無理なく取り入れられるのが大きな特徴です。
矯正治療とホワイトニングを同時に進めることで、効率的に理想的な口元を目指せます。
通院や手間が増えない:矯正用マウスピースをそのままホワイトニングトレーとして使えるため、新たに型取りをする必要がありません。
費用負担を抑えられる:トレー作製のコストがかからず、ホワイトニングジェルを購入するだけで自宅でホワイトニングが行えます。

■ホームホワイトニングの使い方
ホワイトニング前の歯磨き
歯の表面に汚れや歯垢が残っていると、ホワイトニングジェルが均一に行き渡らず、白さにムラが出ることがあります。
ホワイトニング前は必ず丁寧に歯磨きをして、清潔な状態で始めましょう。

薬剤をマウスピースに適量入れる
ホワイトニングジェルをマウスピースの歯の表面側に、米粒1〜2粒分を目安に入れます。
入れすぎると薬剤があふれ、歯ぐきを刺激して痛みが出ることがあります。

装着時間の目安は1〜2時間
薬剤の濃度に応じて使用時間は異なりますが、一般的には1日1回、1〜2時間が目安です。
寝る前やリラックスできる時間帯に行うと、無理なく続けられます。
使用後の洗浄とケア
使用後は口をすすぎ、歯ブラシで軽く歯を磨きます。
歯に薬剤が残っていると汚れがつきやすくなるため、丁寧にブラッシングを行いましょう。
マウスピースも冷水で洗い、柔らかいブラシなどでやさしく薬剤を落とします。
使用直後の飲食を控える
ホワイトニング直後の歯は一時的に敏感な状態になります。
コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレーなど、色の濃い飲食物は避けると白さを長く保てます。

使用期間と効果の目安
ホームホワイトニングは、毎日または1日おきに継続して2〜3週間ほど行うことで、自然な透明感のある白さが得られます。
刺激が少ないタイプの薬剤を使うため、歯の健康を守りながらゆっくり白くしていくのが特徴です。
矯正治療後もマウスピースを使って定期的に行うことで、白さを維持することができます。
■ホワイトニング後のケアにおすすめ「MIペースト」
ホワイトニングを行った後の歯は、一時的に表面が敏感になり、しみやすくなることがあります。これは、ホワイトニングの薬剤がエナメル質に作用し、表面の水分バランスが変化するためです。
そんなホワイトニング後のデリケートな歯を守るケアとしておすすめなのが、「MIペースト」です。
MIペーストは、牛乳由来のカルシウムやリンを豊富に含み、歯の再石灰化を促してくれます。ホワイトニング後の歯をやさしく守りながらツヤと白さを長持ちさせ、知覚過敏の予防にもつながります。
当院でも日々のケア補助としてMIペーストを取り入れることをおすすめしています。
使用のポイント
・ホワイトニング後の歯磨きのあとに塗布するのが効果的です。
・3〜5分程度歯に塗ったまま放置し、軽くうがいをするだけでOK。
・冷たいものがしみるなどの知覚過敏が気になるときにもおすすめです。
・定期的に使用することで、白さとツヤのある健康的な歯を保てます。
注意点
・MIペーストは牛乳由来成分(CPP-ACP)を含むため、牛乳アレルギーのある方は使用できません。
・使用前に歯科医院で適切な使用方法や頻度の説明を受けると安心です。
■ホームホワイトニングの禁忌・禁止事項
下記に該当する方は使用しないでください
・う蝕、くさび状欠損、咬耗症、クラックなど、健全でない歯のある患者
・無カタラーゼ症の患者
・知覚過敏症の患者
・重度の歯肉炎や歯周炎の患者
・小児
・妊娠中または授乳期の女性
使用に伴う禁止事項
・就寝中は使用しないこと

■併用する際の注意点
マウスピース矯正とホワイトニングは併用できますが、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
正しい方法で行えば安全に続けられますが、歯の状態や矯正の進み具合によっては、効果の出方に個人差が生じることもあります。
新しいマウスピースに交換した直後は控える
新しいマウスピースに交換した直後は、歯が最も動いている時期です。
この時期は歯や歯ぐきが一時的に敏感になりやすく、ホワイトニングを同時に行うと刺激を感じることがあります。
交換してから2〜3日ほどはホワイトニングを控え、歯が新しいマウスピースに慣れてから再開すると安心です。
過度なホワイトニングは歯に負担をかける
ホワイトニングジェルを長時間使用したり、使用回数を増やしすぎると、エナメル質に負担がかかり、知覚過敏が出ることがあります。
使用時間や頻度は、歯科医師の指示や製品の説明書に従いましょう。
しみるような痛みを感じた場合は、使用を一時中止して歯科医院へ相談してください。
ホワイトニングの効果にムラが出ることがある
歯が重なっていた部分は、ホワイトニング薬剤が均一に届かず、ムラが出やすい傾向がありますが、矯正が進むにつれて自然に目立たなくなります。
また、歯の表面に付けられている「アタッチメント(小さな突起)」の部分は、樹脂で覆われているため薬剤が浸透しません。
そのため、矯正中はアタッチメント部分だけわずかに白くならないことがありますが、見た目に大きく影響することはありません。
矯正終了後にアタッチメントを外したあとで、再度ホワイトニングを行えば、全体のトーンを均一に整えることができます。
■まとめ|矯正とホワイトニングで理想の笑顔へ
マウスピース矯正は、歯並びを整えるだけでなく、同時にホワイトニングも行うことができます。通院の負担を増やさず、日常生活に取り入れやすい点が、多くの方に選ばれている理由の一つです。
ただし、効果を安全に引き出すためには、正しい使い方とタイミングが大切です。歯科医師および歯科衛生士の指導のもと、無理のないペースで進めましょう。
鶴岡市・酒田市でマウスピース矯正やホワイトニングに興味のある方は、LINEからお問い合わせください。
【記事監修者】
山形県鶴岡市文園町 医療法人石田おさむ歯科医院
理事長 石田 修


