マウスピース矯正は、見た目の自然さと生活のしやすさを両立できる矯正治療です。
自分でマウスピースを取り外せる利便性から、近年は10代から大人まで幅広い世代に選ばれています。
一方で、治療を始める前に「日常生活はどう変わるのか」「装着中に気をつけることは何か」を知っておくことも大切です。
あらかじめ理解しておくことで、より安心して治療を進められます。
この記事では、マウスピース矯正期間中の生活を具体的にイメージできるよう、治療中の注意点や快適に続けるためのポイントをご紹介します。
■治療を始める前に知っておきたい準備
無料相談やカウンセリングでは“生活スタイル”も共有
マウスピース矯正は、1日20時間以上の装着が必要です。
そのため、仕事や学校など、日常のリズムに合わせて治療計画を立てることが、治療をスムーズに進めるための大切なポイントになります。
たとえば、「接客業で人前に立つ」「運動部に所属している」「イベントが控えている」といった生活情報は、治療スケジュールを決めるうえで重要な判断材料となります。
治療前にお口の環境を整える
マウスピース矯正を安全に進めるためには、治療を始める前にお口の中を健康な状態に整えておくことが大切です。
歯ぐきの炎症や虫歯があるまま治療を始めると、マウスピースを長時間装着することで症状が悪化してしまうことがあります。
矯正中は歯がマウスピースで覆われている時間が長く、唾液の流れが悪くなり、細菌が増えやすい環境になりやすいためです。
そのため、治療を始める前には、虫歯や歯周病の治療を済ませ、お口の中を健康な状態に整えておくことがとても重要です。
健康な状態を保つことで、矯正中のトラブルを防ぎ、計画通りに歯を動かすことができます。
当院では、矯正前にお口全体の検査を行い、歯周治療・虫歯治療・クリーニングを通して、安心して治療を始められる環境を整えています。
健康な土台をつくることが、矯正を成功へ導く第一歩です。

■マウスピース矯正期間中の1日
朝:お口のリセットと装着
朝食後は、歯磨きとフロスでお口のケアとマウスピースの洗浄から1日をスタートしましょう。
夜間は唾液の分泌が減り、菌が繁殖しやすくなるため、朝の洗浄習慣が清潔を保つポイントになります。
マウスピースは冷水またはぬるま湯で軽くすすぎ、歯磨き後に装着してください。

昼:外出時の工夫
ランチの際は、食事の前にマウスピースを外し、専用ケースに入れて保管しましょう。
ティッシュに包んだりポケットに入れたりすると、紛失や変形の原因になるため注意が必要です。
食後は歯磨きとフロスでお口を清潔にし、マウスピースを再装着します。
外出先などですぐに磨けない場合は、洗口液や水でしっかりうがいをしてから装着しましょう。
仕事や授業の合間など、短い時間でもお口のケアを取り入れることで、虫歯や口臭を防ぎながら快適に過ごすことができます。
「食べる → ケアする → マウスピースを装着する」の流れを習慣づけることが、歯を正しく動かすための大切なポイントです。

夜:清掃と装着チェック
1日の終わりには、マウスピースを専用の洗浄剤でしっかり洗浄しましょう。
就寝中は長時間装着したままになるため、清潔な状態を保つことがとても大切です。
(※1日に1回は必ず洗浄剤を使用してください)
マウスピースに汚れが残ると、着色や虫歯、口臭の原因になるため、丁寧なケアを心がけましょう。
また、新しいマウスピースへの切り替えは「夜」を推奨しています。
新しいマウスピースを装着すると、多少の締め付け感や痛みを感じることがありますが、就寝中に慣れることで日中の不快感を軽減できます。
装着後は、浮きやズレがないか鏡で確認してください。
違和感や痛みが続く場合は、そのまま放置せず歯科医院へご相談ください。
■治療中に気をつけたいポイント
睡眠時の装着を必ず守る
夜に新しいマウスピースへ交換することで、眠っている間に歯の移動が促されます。
夜間は装着時間が長く、マウスピースの適合力が安定しやすいため、効率的に歯を動かすことができます。
寝る前に装着を忘れたり、途中で外したままにしてしまうと、歯の動きが遅れたり、後戻りの原因になることがあります。
毎晩しっかりと装着し、1日20時間以上の使用を継続することを心がけましょう。
飲み物は「水」だけにする
マウスピースを装着したまま飲めるのは、水だけです。
お茶やコーヒー、ジュース、スポーツドリンクなどは、マウスピースの変形や着色、虫歯の原因になることがあります。
特に温かい飲み物は変形を招きやすく、糖分を含む飲み物は虫歯リスクを高めるため注意が必要です。
透明なマウスピースをきれいに保つことは、見た目だけでなく歯の健康を守るためにも大切です。
水以外の飲み物を口にする際は、必ずマウスピースを外す習慣をつけましょう。

“浮き”や“ズレ”を放置しない
マウスピースが歯にしっかり合っていない状態で使い続けると、歯が計画通りに動かなくなることがあります。
特に「浮き上がり」や「ズレ」を感じた場合は、早めに歯科医院でチェックを受けましょう。
そのまま放置すると、治療期間が延びたり、歯の位置がズレてしまう原因になります。
アタッチメント(白い突起)が取れたらそのままにしない
マウスピース矯正では、歯の表面にアタッチメントと呼ばれる小さな突起をつけて歯を動かします。
これが取れてしまうと、マウスピースが正しくフィットせず、歯の移動が遅れたりズレが生じることがあります。
取れたまま放置せず、できるだけ早く歯科医院へ連絡し、再装着の処置を受けましょう。
マウスピースの紛失
ティッシュなどに包んで保管すると、気づかないうちに捨ててしまうことがあります。
マウスピースは必ず専用ケースに入れて管理しましょう。
もし紛失してしまった場合は、放置せずにすぐ歯科医院へ連絡してください。
状況に応じて、次の段階のマウスピースを使用するか、再製作が必要かを確認します。

痛みが続くとき
新しいマウスピースに交換した直後は、2〜3日ほど軽い痛みを感じることがあります。
ただし、1週間以上経っても痛みが強く残る場合は、マウスピースがずれている、または歯に強い負担がかかっている可能性があります。
無理に装着を続けず、早めに歯科医院へ相談しましょう。
適切な調整を行うことで、痛みを軽減し、安全に治療を続けることができます。
■まとめ|取り外せるからこそ“自己管理”が大切な矯正治療
マウスピース矯正は、取り外しができるため清掃しやすく、食事や会話もこれまで通りに楽しめる点が大きな魅力です。
一方で、装着時間やケアを自分で管理する必要があり、毎日の習慣づけが治療成功の鍵となります。
正しく装着し、清潔な状態を保ちながら続けることで、快適に理想の歯並びへ近づけます。
当院では、3Dシミュレーションを用いて治療前に歯の動きを確認できるほか、LINEでの相談にも対応しています。
鶴岡市・酒田市でマウスピース矯正を検討している方は、お気軽にご相談ください。
【記事監修者】
山形県鶴岡市文園町 医療法人石田おさむ歯科医院
理事長 石田 修


