健やかなお口の育て方:乳幼児期のポイント(歯ならびを育てる)|鶴岡市の歯医者

健やかなお口の育て方:乳幼児期のポイント(歯ならびを育てる)

 

山形県 鶴岡市 医療法人石田おさむ歯科医院

歯科医師・院長 石田 修

https://linktr.ee/ishidaosamu.dc

 

 

鶴岡市文園町にある石田おさむ歯科医院 院長の石田です。

前回までのブログでも少し触れていますが、綺麗な歯並びは見た目だけでなく、「噛む」や「飲む」といったお口の機能から口腔内環境、全身の健康にも影響を与えます。そのため、歯並びは早い時期から対策を行い、リスクを最小限にするこが重要です。

今回は、「健やかなお口の育て方:乳幼児期のポイント」の最終回として「歯並びを育てる」をテーマに、当院で実際に患者様にお伝えしている内容と小児予防矯正(マウスピース歯列育成)についてご紹介します。

歯並びを育てる過程で取り組む内容は、全身の健康にも良い影響をもたらしてくれますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

👉前々回ブログ【健やかなお口の育て方:乳幼児期のポイント(細菌感染と口腔ケア)】

👉前回ブログ【健やかなお口の育て方:乳幼児期のポイント(食生活)】

 

 

Contents
■歯並びが悪くなる要因について
 【遺伝的な要因】
 【後天的な要因】
■きれいな歯ならびを育てるポイント
 【0~2歳:乳児期】
 【3歳~5歳の幼児期】
■小児予防矯正(マウスピース歯列育成)
 【メリット】
 【専用マウスピースの使用方法】
 【来院頻度と治療期間】
 【治療までの流れ】

 

■歯並びが悪くなる要因について

最近では、歯が一列に並ばずガタガタしていたり、前歯より下の歯が突き出ていたりと、歯並びや噛み合わせの悪いお子さんが増えています。今の子ども達は約5人に4人が歯列不正とも言われている状況です。

歯並びが悪くなる原因は大きく分けて2つあります。

 

【遺伝的な要因】

親の顎の形や大きさ、歯の形や大きさなどが子供に遺伝し歯並びの悪化を引き起こしてしまいます。歯並びは遺伝というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、遺伝による影響はごくわずかで全体の約2%とするデータがあります。そのため、ほとんどが次にご説明する後天的な要因で歯並びが悪くなっています。

 

【後天的な要因】

食事内容や姿勢、悪習癖など個人の生活習慣による後天的な要因で歯列不正を引き起こしています。日常には歯並びを悪くしてしまう要因がたくさん潜んでおり、特に成長期である乳幼児期は大きな影響を受けるため注意が必要です。

代表的な要因がこちらです。

・柔らかいものを好んで食べている(よく噛まない)
・指しゃぶりがやめられない
・口呼吸が習慣化している
・普段から姿勢が悪い
・舌癖や食いしばりなどの癖がある
・虫歯があり噛み癖が偏っている

子供の食事を含む生活習慣は、健やかな歯並びを作る上でとても重要です。後天的な要因を改善することで歯並びの悪化を予防することができます。お子さんにどんな食事を与えているか、悪習癖がないか確認が必要です。

 

■きれいな歯並びを育てるポイント

【0~2歳:乳児期】

①母乳育児をする

母乳育児には以下のようなメリットがあります。

・免疫力の増大
・鼻呼吸の獲得
・正しい舌位(ぜつい:舌の位置)の獲得
・舌の筋肉力の増大
・口唇や口腔周囲筋の発達

母乳育児が難しい場合は、お口の発育を促す哺乳瓶も市販されています。お口の発育を促す哺乳瓶は、食べ物を噛む咀嚼力が育まれる形状をしています。それを使うことで赤ちゃんのお口を鍛える効果とともに、離乳食へのスムーズな移行が期待できます。

なお、母乳育児には、お母さんの栄養状態がとても重要になります。良い母乳づくりのため、毎日の食事と栄養バランスに気をつけるようにしてください。

また、当院は妊婦歯科健康診査の実施歯科医院となっております。管理栄養士が在籍しておりますので、妊婦さんの歯科健診と妊娠中の栄養サポートも可能です。

 

②正しい捕食を行う

離乳食に移行してからは、前歯と奥歯をそれぞれ正しく使うことで、口周りの筋肉・顎のバランスのよい発達を図ります。離乳食の前噛み(まえがみ:前歯でかむこと)、奥噛み(おくがみ:奥歯でかむこと)が正しくできているかどうかを確認しながら与えてあげてください。

 

③うつ伏せ寝を止めさせる

うつ伏せ寝は、顎の骨格がゆがむ可能性があるので、できる限り避けるのが望ましいです。

 

④きちんと歩かせる

幼少期のハイハイ歩きは、しっかりとした骨格を作る基本としてとても重要です。歩けるようになったら積極的に歩かせ、自らの力で体を支えるトレーニングをしていきましょう。

 

【3歳~5歳の幼児期】

①姿勢よく食事をする

特に食事の際、お子さんの姿勢に気をつけてください。大人用の椅子に座り足がぶらぶらした状態は、姿勢が悪くなる原因になります。足が着地する台座等を使用するのがおすすめです。

 

②お口を閉じて噛む

唇を閉じた状態で噛むように指導してあげてください。理想の噛む回数は一口30回で、少なくとも1回の食事を15分以上かけることで十分に咀嚼することができます。お口に入れた食べ物をしっかりと噛んでから飲み込むことで、口周りの筋肉・顎の発達が期待できます。

 

③鼻呼吸をする(口呼吸、お口ぽかんをやめる)

成長期に鼻を使わず、口で呼吸をする習慣が付いてしまうと鼻腔の発育が不十分になる可能性があります。また、お口をぽかんと開け続けることでお口の周りの筋肉や舌が十分に発達せず、舌の位置が下がりやすいので上顎が発達しにくくなってしまいます。

 

④4歳頃までに指しゃぶり、おしゃぶりの使用をやめる

これ以前に無理にやめさせる必要はありませんが、4歳を超えても指しゃぶり、おしゃぶりをすると前歯の歯並びに悪影響がでる可能性が高くなります。

 

⑤顎の骨を育てる栄養素を摂取する

骨を作る材料である「カルシウム」と「ビタミンD」を取り入れることも大切です。カルシウムは日本人が不足しやすい栄養素のため、毎日意識して摂取することが望ましいです。ビタミンDは日光に当たると生成される栄養素ですので、晴れた日は外遊びがおすすめです。

 

■小児予防矯正(マウスピース歯列育成)

当院では、5歳〜8歳前後のお子さんを対象にした小児予防矯正治療(マウスピース歯列育成)を行なっています。

マウスピース型の筋機能矯正装置を用いて、アクティビティと呼ばれる筋機能トレーニングを行います。子どもの歯並びを悪くする原因である口呼吸・舌の悪い癖・飲み込みの悪い癖・姿勢を改善し、顎を正常に発育・成長させて、正しいきれいな歯並びに持っていく小児期の矯正治療です。

 

【メリット】

・ブラケットを付ける必要がない
・矯正装置による虫歯や歯周病の影響が少ない
・痛みがほとんどない
・後戻りが少ない
・見た目を気にしなくていい
・子供の顔つきが良くなる(お顔の発達の改善)
・正しいかみ合わせの獲得
・アトピーやアレルギーの改善
・いびき・歯ぎしりの改善

※顎顔面や体幹の発育不全に対して、口腔周囲の筋肉トレーニングにより発育をサポートし、副次的に正しい歯並びを獲得するトレーニング療法です。矯正専門医が行うワイヤー等を使用した歯列矯正治療とは異なります。

 

【専用マウスピースの使用方法】

毎日、日中2時間と就寝時に使用します。さまざまな種類と大きさのマウスピースをお子さんのお口の大きさや状態に合わせて使用します。

 

【来院頻度と治療期間】

1ヶ月に1回当院にお越しいただき、自宅でのトレーニングのおさらいと医院で一緒にトレーニングを行います。全体の治療期間としては、個人差はありますが平均2~3年程度となります。

 

【治療までの流れ】

①相談
お子さまの歯並びが気になる方はお気軽にご相談ください。無料相談受付中です。

②精密検査及び診断
お子さまのお口の状態診査、お口の写真、レントゲン写真撮影、歯型採取、姿勢の確認を行います。

③治療計画のご説明
お子さまの状態に合わせた最適なトレーニング療法・計画のご提案を差し上げます。

④治療開始
毎日、ご自宅で数分のトレーニングを行い、日中と就寝時にマウスピースを装着していただきます。当院には1ヶ月に1回お越しいただき、口腔周囲筋を鍛えるためのトレーニングと口腔内のケアを行います。

⑤経過報告
定期的にトレーニングの振り返りを行ないながら、今後の治療方針を決めていきます。
治療期間は約2年~4年程度です。必要に応じてフォローアップしていきます。

👉マイオブレースシステム(小児予防矯正)

👉マウスピース歯列育成(小児予防矯正)

 

 

当院は、生後4ヶ月あたりのお子さんから診察が可能です。

症状やお口の状態は一人一人違いますので、早期受診により適切な診断とアドバイスを受けていただくことが予防への一歩です。

お子さんが虫歯や歯周病、歯並び、そして全身の健康で困らないように守ってあげられるのはご家族だけです。

私たち歯科医師や歯科衛生士をはじめとするスタッフがしっかりとお口の健康から栄養面までサポートいたしますので、お気軽にお問い合わせください。

 

👉【日本口育協会HP】

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