重度の歯周病と診断された方へ|あきらめる前に知ってほしい「手術をしない」選択肢

「歯周病がかなり進んでいます」

「この歯は抜歯が必要です」

「歯を残すためには、歯ぐきを切る手術が必要です」

他院でこのような説明を受け、大きな不安を抱えている方もいらっしゃるかもしれません。

重度まで進行した歯周病では、歯を支える骨が大きく失われ、残念ながらどのような治療を行っても保存が難しい歯があります。

しかし、大切なのは「その1本だけを見るのではなく、お口全体をこれ以上悪化させないこと」です。

まだ残せる歯を、これ以上失わないように守る。

そのために、現在のお口全体の状態を正確に把握し、必要な治療を選択することが重要です。

今回は、その選択肢のひとつとして、歯ぐきを切開せずに歯周ポケット内部へアプローチする歯周病治療機器「ブルーラジカル P-01」についてご紹介します。

歯周病は「1本だけ」の病気ではありません

歯周病が進行すると、歯を支えている骨(歯槽骨)が少しずつ失われていきます。

骨が減ると歯はグラつき、さらに進行すると抜歯が必要になることがあります。

ただし、抜歯が必要な歯だけを治療すれば終わり、というわけではありません。

歯周病は、お口の中に存在する細菌や、日々のセルフケア、喫煙などの生活習慣、全身状態など、さまざまな要因が関係しながら進行する病気です。

そのため、1本の歯に重度の歯周病が認められた場合には、周囲の歯も含めてお口全体を詳しく検査することが重要です。

深い歯周ポケットでは、通常のケアだけでは十分に届かないことがあります

歯周病が進行すると、歯と歯ぐきの間にある「歯周ポケット」が深くなります。

深い歯周ポケットの内部には、歯周病に関連する細菌やバイオフィルム、歯石などが存在します。

歯ブラシによるセルフケアだけでは十分に届かず、歯の根の複雑な形態によっては歯科医院での器具による清掃でもアプローチが難しい部分があります。

まずはブラッシング指導や歯石・バイオフィルムの除去などの歯周基本治療を行い、その後に再評価を行うことが歯周病治療の基本です。

基本治療を行っても深い歯周ポケットや炎症が残る場合には、その状態に応じて、外科的な治療を含む次の治療方法を検討します。

歯石を取っても症状が改善しない理由については、こちらの記事で詳しくご説明しています。

👉 「歯石取り」だけでは治らない?歯ぐきの腫れや出血が続く本当の理由(ブログ)

歯ぐきを切らずに治療する「ブルーラジカル P-01」という選択肢

ブルーラジカル P-01は、東北大学の研究をもとに開発された歯周病治療機器です。

過酸化水素水と青色レーザー光を組み合わせてラジカルを発生させ、超音波振動による歯石・バイオフィルムの除去と、歯周ポケット内部の殺菌を同時に行います。

歯ぐきを切開して根面を直接確認するフラップ手術とは異なり、歯ぐきを切開・縫合せずに歯周ポケット内部へアプローチする非外科的治療です。

ブルーラジカルは「魔法の治療」ではありません

ブルーラジカルは新しい治療の選択肢ですが、どのような状態の歯でも残せるわけではありません。

すでに歯を支える骨が大きく失われ、保存が難しいと判断される歯については、ブルーラジカルを行っても抜歯が必要となる場合があります。

また、すでに失われた骨や下がった歯ぐきを元通りに再生させる治療ではありません。

目的は「無理に抜歯を避けること」ではなく、検査によって残せる可能性のある歯を見極め、これ以上歯周病を進行させないことです。

治療前の検査とセルフケアが重要です

当院では、ブルーラジカルを希望されたからといって、すぐに治療を行うわけではありません。

まず歯周ポケットの深さ、骨の状態、口腔内の清掃状態、細菌の状態などを詳しく確認します。

また、治療効果を維持するためには、毎日のセルフケアによってプラークをコントロールできる状態をつくることが重要です。

当院では担当歯科衛生士がブラッシングやフロスの使用方法を確認し、治療後も継続してサポートします。

当院での治療の流れ

診査・診断……
歯周ポケット、レントゲン・CT、口腔内写真、細菌の状態などから、歯周病の進行度とブルーラジカルの適応を確認します

歯周基本治療・セルフケアの改善……
歯石・バイオフィルムの除去やブラッシング指導を行い、治療を行える口腔環境を整えます

精密検査・カウンセリング……
検査結果をご説明し、残せる可能性のある歯、治療が必要な部位、治療方法についてご相談します

ブルーラジカル治療……
適応となる歯に局所麻酔を行い、ブルーラジカル P-01による治療を行います

⑤ 治療後の経過確認・再評価……
治療後も定期的に歯ぐきの状態を確認し、約3か月後を目安に再評価を行います

定期メインテナンス……
改善した状態を維持するため、継続的なセルフケアと歯科医院でのメインテナンスを行います

治療後こそ、メインテナンスが大切です

ブルーラジカルによって歯周ポケット内部の細菌を大きく減らすことができても、お口の中から細菌が完全になくなるわけではありません。

治療後にセルフケアやメインテナンスが不十分になると、再び細菌が増え、歯周病が進行する可能性があります。

治療は「終わり」ではなく、これから歯を守っていくための新しいスタートです。

当院では治療後も担当歯科衛生士が継続して経過を確認し、長期的に歯を守るためのメインテナンスを行います。

費用について(自由診療)

項目費用
ブルーラジカル治療21,000円(税込)/歯
歯周病菌の遺伝子検査(r-PCR検査)17,500円(税込)

まずは「どの歯が残せるのか」を知ることから

重度の歯周病と診断されると、「この歯を抜かなくてはいけないのか」と、目の前の1本に意識が向きやすくなります。

しかし本当に大切なのは、お口全体の状態を正確に把握し、「これから先、1本でも多くご自身の歯を残すために何ができるのか」を考えることです。

歯周ポケットはどのくらい深いのか。歯を支える骨はどのくらい残っているのか。どの歯に治療が必要なのか。

検査を行うことで、「残せる可能性のある歯」と「残すために必要な治療」が見えてきます。

抜歯が必要と判断される場合にも、その理由をご説明し、ご理解いただいたうえで治療方法を一緒に考えていきます。

「歯周病が進んでいると言われた」

「手術以外の治療方法があるのか知りたい」

「今ある歯をできるだけ長く守りたい」

そのような方は、一度ご相談ください。他院に通院中の方のご相談(セカンドオピニオン)も承っています。

👉初診の方の費用を含む詳しい料金は、
専用ページをご覧ください

[ブルーラジカル治療について(専用ページ)]


記事監修者

山形県鶴岡市文園町
医療法人石田おさむ歯科医院

理事長 石田 修

経歴

経歴
平成7年岩手医科大学歯学部卒業
同学部歯科補綴学第一講座 医局入局
平成10年岩手医科大学歯学部歯科補綴学第一講座 助手
平成16年石田おさむ歯科医院開設

所属

・ 日本臨床歯科CADCAM学会
・ 日本歯科補綴学会
・ 日本口腔感染症学会
・ 日本口腔インプラント学会
・ 日本小児口腔発達学会
・ 日本顎咬合学会
・ 国際歯周内科学研究会
・ 日本口育協会
・ 日本糖尿病登録歯科医